◆養殖池の今後の計画


左写真は1970年代、右写真は2020年現在の航空写真
左写真は1970年代、右写真は2020年現在の航空写真

◆ビオトープ計画◆
◆ビオトープ計画◆

六ケ所の養殖池を区切るように造られた土手は大型ダンプが通る広さがあり、海側の土手は防波堤になっておりセメント工法ではなく、大きな自然石と土(赤土ではない)で造られています。


◆養殖池①

養殖池①は封鎖状態にあり、非常に淀んでいます。①と②の養殖場を区切るために造られた、土手けん作業道路を無くす事によって、②のきれいな海水が流れ込み、自然を取り戻せると思います。


◆養殖池②は野鳥公園

養殖池②は六ケ所の養殖池の中で、最も広く、観光名所のホノホシ海岸と隣接しており、養殖池のたくさんの電柱が、国立公園の景観を著しく損ねていますが、ただ、この養殖池の水門は大きく、今現在、開放してあり、毎日、海の潮汐で池の海水か還流して、水質は良さそうに見えます。

この養殖池には、養殖場ができる前に、隣接しているホノホシの小川の支流から清水が流れ込み、干潟が形成されていました。そこには、マングローブやリュウキュウコアマモが生息し、そこには、たくさんの小魚や野鳥が見られました。砂置場に放置された海砂を埋め戻し、浅くすることで、生物が集り、野鳥公園ができる可能性があります。


養殖池③④は藻場、干潟の再生


この場所は小川が無く、もともと干潟でした。③④ともに水門を開ける事と海砂の補給で、干潟が再生されるはずです。そこに藻場を造り、幼魚の喜ぶ『海のゆりかご』を造りたいと思います。


養殖池⑤は、青少年のためのシーカヤック講習やウェイクボード講習、小型ヨットの講習池にして、マリンスポーツの安全教育をできたらと思います。


養殖池⑥はマングローブ再生公園にしたい場所です。

この池の横には、水量の豊かな小川が流れています。そこには、小魚がいて、それを捕食する、ムナジロクイナやキセキレイなどの野鳥や各種カエル、昆虫が生息しています。

ここは土手をとりはらう事により、

一番早く自然が戻る場所と思われます。


★養殖場排出口前の水質浄化計画


30年間排出された排水により、養殖場の外海な海底にはたくさんのヘドロが積み重なり、海水汚染が深刻な状況です。

このため、『小魚などのゆりかご』は完全に消滅しています。

大島海峡には大規模な養殖場が現在も稼働しており、夏場になると深刻な汚染により、養殖生産に大きな打撃を与えています。

これを解決すべく、この場所で専門家や研究者などの協力で水質改善の研究を実施できたら、今後の大島海峡内の養殖場周辺のヘドロ対策に貢献でききます。


※ビオトープ計画とは


ヨーロッパでは、人工的に形作られた河川などの形態をより自然に近い形に戻し、それによって多様な自然の生物を復活させるとともに、本来の自然が持っていた浄化・修復能力を利用する、といった観点から、近自然河川工法という言葉が使われるようになった。つまり、これまでは機械的に形作られてきた河川護岸を、生物の生息場所であると意識し、それを積極的に利用する方法が始められたのである。